ヨーガは今から5000年前にインドに発祥し、数々の経緯を経て伝えられた精神修行の一つであり、人間の質を高めていく行法なのです。
ヨーガ(YOGA)という言葉はインドのサンスクリット語で語源は動詞「yuj」からきた名詞で、馬に馬具をつける、荷車に馬を繋ぐと言う意味を持っています。私たち人間の心はどうしても外に向きがちで散漫になりやすく、それを内に向けるという事は暴れ馬を制御するという心理作用を意味しています。
インドの聖人パタンジャリ氏がヨーガ・スートラ(ヨーガの根本教典)の中で「ヨーガとは心素の働きを止滅させることである」と言い切っておられます。
この一言がヨーガの精神を貫いているのです。“心の作用を止める”この事は心を不動のものとする。その考に私たちはまず呼吸をコントロールしなければなりません。呼吸は心と体の架け橋です。呼吸のスピードを落とすことによって、心のスピードが落ち、やがては心の安らぎ、平安が生まれ、最終的には純粋真我となり、自己本来の姿にとどまるのです。
これは「統一、調和、安定」の意味で、バランスのとれている状態のことであり、「YOGA」の意味が単に「アーサナやプラナヤーマ」を行うことだけではないことを言っています。大宇宙と小宇宙である自分を結びつけ、本当の自己をみつめ、理解していくための行法なのです。
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